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ブギウギひできのレフェリー道

第5回「世界選手権で珍事件に遭遇!」(2012年4月27日)

 2011-2012シーズンも終わってしまい、心淋しい日々をお過ごしなのではないでしょうか。ブギも長いシーズンを怪我無く終わることが出来ました。

 

 さて今回のコラムでは、今シーズンを振り返っていきたいと思います。まずアジアリーグ(AL)はイーグルスの4季振りの優勝で幕を閉じました。イーグルスの選手・スタッフの皆さんおめでとうございます。でも、やはり今シーズンを振り返ったとき、アイスバックスの快進撃を語らずにはいられません。第1回のコラムでブギが、「昨シーズンとは別のチームの様な感じを受け、大変強いチームになったと感じました」と書いたのを憶えていますか?今年のバックスは、本当に強かったと思います。ブギが解説するのは非常におこがましいのですが、バックスはチームの全ての選手が自分のやるべき事を把握し、そしてリンクに立っていたように見えました。さらに、リーグ後半戦になると、特にベテランと若手の歯車がどのチームにも負けないくらいきっちりと噛み合い、どこにも負けないぞという雰囲気を醸し出していました。2月に釧路で行われた対クレインズ2連戦の第2戦では、大黒柱のキャプテンの鈴木貴人選手が不在でしたが、チームが一丸となり勝利に向かう強い意志が、同じ氷上にいるブギにも伝わってきました。今年ほど盛り上がったリーグ戦はALが始まってから初めてなのではないでしょうか?今から来季のALが楽しみにですね。

 

 次に、先日行ってきましたブルガリアでの世界選手権の話しをしたいと思います。今回ブギが行ってきたU18世界選手権ディビジョンⅢグループAには、開催地ブルガリアほか6カ国が参加し、ブギ達レフェリーとラインズマンは10カ国から11名が招集されました。ブギが世界選手権に行くようになって今回で5シーズン目でしたが、その中でアメリカ、カナダから誰も招集されていない大会は初めてでした。と言うことは多くのオフィシャルはヨーロッパの人たちなのですが、彼らのスタイルは非常に独特のものが多いです。これは、日本人、やアメリカ、カナダのオフィシャルから見ると、時に新鮮さを感させてくれる時もあれば、逆に度肝を抜かれる時もあります。1つの例としてラインズマンのポジショニングが挙げられます。皆さんご存じでしょうか。リンク上にはレフェリーがジャッジをするためにスケーティングをするエリアが大まかに決まっており、ラインズマンもレフェリーと氷上で衝突しないようにレフェリーレーンにはなるべく入り込まないようにしています。だから、皆さんもALの試合などでレフェリーとラインズマンがぶつかるというようなシーンは殆ど見たことがないと思います。このとき、ヨーローッパのラインズマンは、レフェリーレーンの奥の方まで入ってくるのです!ブギも何度か接触してしまいそうになりました。ただ、レフェリーと接触してしまうとジャッジにも支障が出るので問題ですが、レフェリーレーンをラインズマンが一切入ってはいけないという決まりなどはないので、スタイルはどうであれ正確なジャッジをすれば問題ないとブギは感じました。実際、今大会に来ていたヨーロッパのラインズマンの方々は、スタンダードなスタイルに慣れ親しんでいたブギにとっては独特ではありましたが、彼らは高いプライドと責任感を持ってリンクに上がりジャッジングしていました。

 

 もう1つブギが世界選手権で経験した珍事件をご紹介します。それは、2日間目の第2試合の第3ピリオドで事件は起きました。シュートを打ったパックがゴールポストに当たり、パックが2つに割れたのです!割れた1つは、ゴール内、もう1つはコーナーへと飛んで行きました。ブギは慌ててゲームを止めラインズマン2名を呼び、レフェリークリーズで協議しました。3人の判断は「パックが割れた時点で試合中断となるのでノーゴール」というもので、それを各チームに説明しました。守備側のチームは問題なく「OK!」と了承してくれましたが、シュートを打ったチームはかなり納得できない様子で、「割れたパックのうちゴールに入っている方が大きいからゴールではないか」と抗議してきました。試合後、レフェリースーパーバイザーに確認したところ、ルール上はパックが割れた時点でホイッスルを吹き試合が中断されるのでノーゴールというブギ達の判断と同じ見解をもらいました。この様に、試合ではいつ何が起きるか分からないという想定のもとでゲームに挑まなければなりません。ブギ達オフィシャルはルールを100パーセント頭に入れておかねばならないのですが、言葉の通じない地でこのような事件に遭遇して冷や汗ものでした。ブギの2011-2012シーズンは、この世界選手権をもってオフに突入しました。また来シーズンにベストなコンディションでリンクに上がれるように、オフの白球(ゴルフ)トレーニングに精一杯励みたいと思います。

(アジアリーグレフェリー・山内秀貴)

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