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第7回 菊池 励 : バンフ・ホッケー・アカデミー/カナダ(2016年3月31日)

プロフィール

氏名:菊池 励 (きくち れい)

生年月日:1997年7月20日(18才)

出身:北海道苫小牧市

ポジション:FW

所属学校・チーム:Banff Hockey Academy(Heritage Junior Hockey League/CSSHL)

経歴:駒大苫小牧高校→ Okotoks Oilers(Midget AA)→ Banff Hockey Academy

代表歴:U16日本代表

 

カナダのロッキー山脈の麓に位置するバンフ。自然が豊かで観光地としても有名なこの街には、約20年前に創立されたアイスホッケー選手養成学校、バンフ・ホッケー・アカデミー(通称BHA)がある。私(著者=三原)も、長野オリンピックが行われた1998年から2001年までの間、バンフに単身留学をしており、中学〜高校時代の青春を過ごした第二の故郷とも言える街である。久々に訪れたバンフで、アイスホッケー留学中の菊池励選手と初めて対面する機会があった。 

 

北海道出身でアイスホッケーに打ち込んできた菊池選手は、幼い頃から海外でプレーすることへの憧れがあった。中学3年時に苫小牧私立和光中学校のメンバーとして全国制覇を果たした後も、その想いは強くなるばかり。中学卒業と同時にカナダに留学するオプションもあったが、当時、駒大苫小牧(以下=駒澤)に在籍していた寺尾勇利選手(現・USHL Waterloo Blackhawks)に、「駒澤に来るんだろ?」と声をかけられたことが日本残留のきっかけとなった。先輩として大きな存在であった寺尾選手の質問に対し、咄嗟に「はい」と答えてしまい、その言葉通り駒澤に進学した。

 

しかし、入学後も海外への思いは膨らむ一方で、その年の6月には知人の伝手を辿ってカナダに留学することを決意する。高校入学直後に中退という、珍しいケースであると言える。何よりも「世界のホッケーを学びたい」という気持ちが勝ったのだ。渡米後全てが順調にいったわけでは無く、カナダで同年代トップクラスのAAAチームからオファーをもらうも、ビザの都合で登録ができず断念。そこから2年は一つ下のレベルであるAAでプレーし、結果を出し続けた。昨オフシーズンには、カナダのアマチュアトップのジュニアリーグ(ジュニアA)のトライアウトに参加し、複数チームから興味を持たれるも、リーグに北米以外の選手がプレーできない規制がある為、ここでもまた壁にぶち当たった。

 

カナダに来た当初は言葉の面でも苦労した。学校生活でも、氷上でも、自分でどうにかしなければいけないと思い、時には身体を使って表現する等、失敗を恐れず積極的にコミュニケーションを取ることを心がけた。「カナダでは自らすすんで学ぶ力や行動力が必要。やらなければそこで終わる、やれば先に進める」。次第に友達や先生との交流は深まり、周りに助けられることも多くなった。今年で高校最後の年となったが英語も上達し、「テストや授業の内容も難しいが、支えてくれる仲間がいるから楽しい」と、周りのサポートの下、学業面を乗り切っている。

 

今シーズンBHAに移ってからは、ジュニアBリーグとCSSHLというカナダのホッケーアカデミー同士が競い合うリーグでプレーした。ジュニアリーグではルーキーながら、37試合で54ポイント(26ゴール28アシスト)を記録し、リーグ得点ランキング10位でシーズンを終えた。来季は外国人の選手でもプレーが可能なアメリカのジュニアリーグでプレーすることを目標としている。

「外国人がプレーできるとは言え、各チームが外国人を保有できる枠数は限られているという事実は変えられない。その中で勝ち抜くには常に努力して、自分を高めていかなければいけない。毎回が勝負なので、波のないプレーで勝負して、アピールしたい」。そんな気持ちを胸に、駒澤の先輩である寺尾選手や、彦坂優選手・佐藤航平選手など、現在アメリカのジュニアリーグでプレーする先輩たちの背中を追いかける。ジュニアでプレーできる期間はあと2年残っており、その後はNCAA(アメリカ大学体育協会)の大学入りを目指す。

 

彼はカナダと日本の違い、そして将来の留学生へのメッセージをこう語る。「ガチンコ勝負のトライアウトを受けたのは人生初。(自身は外国人枠との戦いもあるが)上手ければ年下でもプロ契約もできる。上下関係では無く、上手い者が上に行く勝負の世界だということを思い知らされた。日本だったらコーチが言うことは絶対だが、こちらでは選手の自主性も求められる。選手同士で積極的にコミュニケーションを取るなど、自由の中に責任を感じている。将来留学を考えている選手は、なるべく早く、中学卒業もしくはその前に留学することが理想。そして、自分がどうしたいかというイメージを常に持ち、大きくなくてもいいから、自分なりの目標を持ち続けること」

 

周りへの感謝の気持ちや、それに対して応えたいという強い気持ちも印象的だった。「自分の留学にあたり、親、友達、コーチの人達にも心配や迷惑をかけた分、自分が頑張らないといけない。自分1人でホッケーをやってこられたわけではなく、親や仲間のサポートが大きな後押しとなったので、支えてくれた人達には感謝している。日本でもっとホッケーを有名にするために、これまで教えてもらってきたことを更に突き詰めて、世界に名を知ってもらえるような選手になりたい」

最後には「プロになったらお世話になった人達全員を試合に招待します!」と明るく宣言してくれた。持ち前の実直さとホッケーに対する純粋な気持ちで、これからも海外で頑張って行く姿を応援したい。 

 

 

 

文:三原卓也(リードオフ・スポーツ・マーケティング)

スポーツ留学に関するお問い合わせ:info@leadoffsportsmarketing.com 

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