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第4回 オーデルマット・アンドレア : ニューハンプトン スクール/アメリカ (2015年1月11日)

プロフィール

氏名:オーデルマット・アンドレア(Andrea Odermatt)

生年月日:1997年6月12日(17才)

出身:神奈川県茅ヶ崎市(スイスと日本の両国籍を所持)

ポジション:FW

所属学校・チーム:ニューハンプトンスクール・ハスキーズ(ニューハンプシャー州ニューハンプトン)

経歴:沖縄アイスパイロット→ 札幌パッカーズ(現・札幌インフィニティーズ)→ ニューハンプトンスクール

 

 

8人兄弟の全員がアイスホッケー選手。そんな「アイスホッケー家族」の長女として、現在も大きな夢を追いかけてアメリカでプレーしているのがオーデルマット・アンドレア選手だ。

 

日本人とスイス人の両親の下に神奈川県で生まれ、沖縄県で育ったという特殊な経歴を持つ彼女は、5才の時にアイスホッケーの魅力に取りつかれた。13才までは沖縄でアイスホッケーに取り組み、その後、本格的にプレーを続ける環境を求め、中学進学とともに札幌に移住した。中学校2年生の春にアメリカ・マサチューセッツ州で開催されたショーケーストーナメント(高校や大学のスカウトが全国各地から集うトーナメント)に参加したことをきっかけに、アイスホッケーの本場である北米への挑戦を意識し始め、翌年にはスカウトから声がかかった学校の一つであるニューハンプトンスクール(New Hampton School/以下NHS)への進学を決めた。

 

8人兄弟の兄(長男)も、弟(次男)も現在は北米に留学中。そんな中、彼女も海外への道を意識したのは自然の流れだったのかもしれない。いくつかの学校からアイスホッケーの実力が認められオファーがある中、NHSへの進学を決めた理由は、スポーツ面だけでなく学業面の環境もしっかりしていた点である。「スポーツも勉強も世界で活躍できるレベルになりたい」という夢を実現するため、国際バカロレア(世界共通の大学入試資格、および、それにつながる教育プログラムを提供)のコースも設けている全寮制のプレップスクールであるNHSを選んだ。

 

NHSの女子アイスホッケー部は1軍(Varsity)と2軍(Junior Varsity)の2チームがあり、毎秋実施されるトライアウトにてそのメンバーが決められる。そんな中、オーデルマット選手は初年度から3年連続で1軍メンバーに選ばれ、アメリカ・カナダでもジュニア代表候補に選ばれる実績を持つ選手達と共にプレーしている。

 

練習は週4回、放課後に2時間行われ、試合は週に平均2回のペースで開催される。スティックハンドリングとスピードを活かした攻撃的なプレースタイルを持ち味とする彼女は、「とにかくゴールを決めること」を常に意識してプレーしていると言う。 「沖縄や北海道でプレーしてきた私でも北米のトップレベルの選手相手に通用することを証明したい」という彼女は、北米の選手には絶対に負けたくないという強い気持ちを持ち、日々のトレーニングに励んでいる。高校最後の年となる今季は、腰の故障もあり本来の力を発揮できてはいないが、得点を生み出すプレーでシーズン後半からはチームを引っ張っていきたいと意気込む。

 

毎年卒業生の多くをアメリカの優秀な大学に送り込んでいるNHSは学業面でも非常に優秀であり、他のプレップスクールと同様、勉強ができなければ部活動に参加することは許されない。毎日の通常授業、そして放課後の部活動の後には、宿題やレポート作成はもちろんのこと、予習・復習やテスト勉強が待っている。数学、生物学、科学、フランス語、英語、世界史といった科目の国際バカロレアコースを中心に勉強しているが、毎晩8時から10時まで義務付けられるスタディーホールという自習時間では足りず、更に遅くまで勉強することも珍しくない。

 

通常、プレップスクールでは複数の部活動への参加が義務付けられており、オーデルマット選手も秋は陸上ホッケー、春にはラクロスをプレーしている。なるべく幅広い活動を行っていることが好ましいと言われるアメリカにおいて、音楽活動や地域の子ども達との交流や社会奉仕活動も行うコミュニティーサービスにも積極的に参加している。

 

めまぐるしい毎日ではあるが、家族のような存在である同じ寮の学生のサポートもあり、これ以上無い充実した毎日を送ることができている。

 

将来的には、国籍を持つスイスもしくは日本のアイスホッケー女子代表チーム入りを果たしたいと考えている。そのためにも、先ずはプレップスクールからアメリカの大学(NCAA 1部リーグ)、その中でもアメリカ北東部に所在する世界屈指の名門私立大学8校からなるアイビーリーグの大学に進学することを目標に定めている。「大学では生物学を専攻し、科学者か医者、もしくはその両方になれるよう努力を続けたい」と志は高い。「人生、自分の思ったようにいかないことも多々あるけれど、自分の目標を達成するための道は必ず存在する。常に志を高く、夢を大きく持つことが何より大事」というオーデルマット選手の海外での挑戦は続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文:三原卓也(リードオフ・スポーツ・マーケティング)

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